おりもの・かゆみ・痛みgyn-symptoms
01. おりもの
おりものについて
おりものは、女性の身体を守る大切なはたらきをしています。腟のうるおいを保ち、粘膜を守ったり、汚れや細菌が子宮に入り込むのを防いでくれています。
おりものは、子宮や腟から分泌される酸性の液体で、色や匂い、量には個人差があります。ふだんは白っぽい半透明や黄みがかった色をしていて、強い匂いはほとんどありませんが、少し甘酸っぱいような匂いを感じることもあります。
また、生理周期によっても変化しやすく、排卵の頃には量が多くなることがあります。
病気が疑われるおりもの
おりものは健康のバロメーターとも言われ、色やにおい、量の変化によって身体の不調を知らせてくれることがあります。
感染症や婦人科系の病気のサインとなるおりもの
- 血が混ざったようなおりものや、悪臭がある
→ 子宮がん、子宮頸管ポリープ、クラミジア頸管炎など - 酒粕のようにポロポロしていたり、ヨーグルト状・クリーム状
→ カンジダ腟炎(かゆみあり)、子宮頸管炎など - イカのようなにおいがあり、腟や外陰部がヒリヒリ痛む
→ 細菌性腟炎 - 強い悪臭や外陰部のかゆみがある
→ トリコモナス腟炎、細菌性腟炎、淋菌感染症(淋病)など - 発熱や下腹部の痛み、おりものの急な増加
→ 子宮内膜炎、卵管炎、クラミジア感染症など
色がついているおりもの
通常、おりものは白っぽい半透明ですが、色が変わることがあります。以下のような色が見られた場合は、注意が必要です。
- ピンク色・茶褐色・赤色
- 乳白色
- 灰白色
- 黄白色・黄緑色・緑色
おりものの量が多い
おりものの量は、卵胞ホルモンの分泌に影響を受けています。排卵期や妊娠中におりものが増えるのは、自然な変化ですので心配はいりません。また、「子宮腟部びらん」と呼ばれる状態も多くの女性に見られ、おりものの量が増えることがありますが、色やにおいに変化がなければ、基本的には問題ありません。
ただし、急におりものの色が変わったり、においが強くなったり、出血や下腹部の痛みを伴うような場合は、身体からのサインかもしれません。早めに婦人科を受診しましょう。
さらに、初経前や閉経後におりものが増えた場合も、注意が必要です。少しでも不安なことがあれば、どうぞお気軽に当院までご相談ください。
おりものに臭いがある
おりものには、健康な状態でも少し独特のにおいがあるものです。ですが、いつもと違う強い悪臭を感じるときは、病気のサインかもしれません。
悪臭の原因としては、クラミジアや淋病などの性感染症が挙げられますが、タンポンやコンドームなどが腟内に残ってしまい、腐敗してにおいが出ることもあります。
おりもののにおいや色が変化したり、デリケートゾーンにかゆみや痛みを感じるときは、身体が何らかの異常を知らせている可能性があります。「なんだかいつもと違うかも」と思ったときは、早めに婦人科を受診しましょう。
02. かゆみ・痛み
外陰部のかゆみ・痛み
外陰部のかゆみや痛みは、カンジダや細菌による感染が原因で起こることが多いですが、それだけではありません。おりものシートによるかぶれや、シャワートイレ・せっけんなどで外陰部を洗いすぎてしまうことなどの「皮膚の刺激」でも、かゆみやヒリヒリ感が出ることがあります。
また、性器ヘルペスや尖圭コンジローマなどのウイルス性の病気が関係していることもあります。
気になる症状がある場合は、無理せず婦人科でご相談ください。
03. 外陰部のかゆみ・痛みを感じる病気
性器カンジダ症
カンジダ菌は、ふだんから性器まわりや皮ふに存在する常在菌ですが、免疫力が低下すると腟や外陰部に炎症を起こすことがあります。性交によってうつることもありますが、性交経験のない方でも発症する、誰にでも起こりうる身近な感染症です。
ヨーグルト状の白いおりものや、黄色〜黄緑色のおりものが出たり、かゆみ・排尿時の痛みを感じることがあります。
細菌性腟炎
腟の中は、乳酸菌によって弱酸性に保たれ、雑菌の侵入を防いでいます。しかし、ホルモンバランスの乱れやストレス、免疫力の低下などが原因で、細菌が増殖し「細菌性腟炎」を起こすことがあります。
灰白色のおりものや量の増加、イカのようなにおいが主な症状ですが、自覚がない場合もあります。特に妊娠中は、流産や早産のリスクもあるため、注意が必要です。
性器クラミジア感染症
クラミジア感染症は、最も多く見られる性感染症のひとつで、性行為によってクラミジア菌が腟内に入り、粘膜に感染して発症します。初期は子宮頸管にとどまりますが、放置すると子宮内膜炎や卵管炎、腹膜炎へと広がる恐れがあり、不妊や流産、子宮外妊娠の原因になることもあります。
自覚症状が少なく、気づかないまま進行することが多いため注意が必要です。不正出血や腟のかゆみなどの症状があれば、早めに婦人科を受診しましょう。
淋菌感染症
淋菌感染症は、性行為などで「淋菌」が腟内に入り、子宮頸管に感染して起こります。まれに手指を介して感染することもあります。初期は子宮頸管の炎症にとどまりますが、放置すると卵管炎や腹膜炎に進行し、不妊や流産、子宮外妊娠の原因になることもあります。
おりものの増加、不正出血、性器のかゆみ・痛みなどの症状が見られることもありますが、自覚症状がないことも多いため注意が必要です。「いつもと違う」と感じたら、早めに婦人科を受診しましょう。
腟トリコモナス炎
トリコモナス症は、「トリコモナス原虫」という微生物が腟や膀胱に感染して起こる病気です。主に性行為で感染しますが、お風呂やタオル、シーツを介して感染することもあります。
2〜5割の方は症状がありませんが、黄色く泡立ったおりものや強いにおい、性器のかゆみ・痛み、排尿時や性交時の痛みが見られることもあります。
気になる症状があれば、早めに婦人科を受診しましょう。
性器ヘルペス
性器ヘルペスは、「ヘルペスウイルス」が腟や子宮頸管の粘膜に感染して起こる病気です。感染経路の多くは性行為で、原因の多くは「単純ヘルペスウイルス2型」によるものです。
ただれた患部との接触や、皮膚・粘膜に存在するウイルスからもうつるため注意が必要です。特に妊婦が感染している場合、経腟分娩で赤ちゃんにうつると「新生児ヘルペス」を引き起こす可能性があるため、早めの対処が大切です。
梅毒
梅毒は性的な接触で感染する性感染症です。初期症状は陰部などのしこりやリンパ節の腫れですが自然に消滅し、また無症状の場合も多いです。血液検査で診断され、早期に抗菌薬で治療すれば完治が可能ですが、放置すると全身の臓器に重篤な影響を及ぼす可能性があります。
妊娠中の感染は、流産や死産、お腹の赤ちゃんへの先天性梅毒を引き起こす危険があるため、妊娠初期に必ず検査が行われます。気になる症状がある場合や、パートナーが感染していることがわかった場合は、速やかに婦人科を受診しましょう。





